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システム理工学部ならではの「データサイエンティスト育成プログラム」

Interview02
システム理工学部ならではの
「データサイエンティスト育成プログラム」
システム理工学部
  • システム理工学部 電気電子情報工学科 吉田 壮 助教
  • システム理工学部 電気電子情報工学科 3年次生 青田 悠斗さん
  • システム理工学部 電気電子情報工学科 3年次生 下坂 悠真さん

INDEX

  • AI・IoT時代のモノづくりをリードするエンジニア育成をめざす(吉田助教)
  • 集めたデータを解析するのは、ハードウェアを設計するエンジニアが適任(吉田助教)
  • 【プログラムでの取り組み】コロナ禍で密を避けるための空席認識プログラム(下坂さん)
  • 【開発プロセス】大量の写真を撮影してAIに学習させ、空席状況を判断させる(青田さん)
  • 教科書の知識だけでは、新しいプログラムは開発できない(下坂さん)
  • 一つの目標に向かってチームで議論する時間が楽しかった(青田さん)
  • データを知るエンジニアとなって、課題発見と解決に力を発揮してほしい(吉田助教)
関西大学の高度データサイエンティスト育成

各学部・研究科において、専門領域の
データサイエンスをリードする人材を育成。

関西大学では、2021年度から全学部生を対象にAI・データサイエンスに関する基礎知識とリテラシーを習得するための教育プログラムをスタートしています。さらに、各学部・研究科ではさらに高度な、実践的なスキルや知識を備えた人材育成のための学部独自の教育を展開。今回はシステム理工学部で2020年度からスタートしている「データサイエンティスト育成プログラム」の内容について、参加している学生2人とプログラムの担当教員から話をうかがいました。
#01

AI・IoT時代のモノづくりをリードするエンジニア育成をめざす

吉田助教
本プログラムは、まず1年次に数学的な基礎、画像や音などマルチメディアの情報処理、プログラミング技術などを学び、データサイエンスの素養を身に付けます。そして2・3年次にはPBL※を実施して、学んだことを実践。2・3年次の学生が合同で4〜5人のプロジェクトチームを組み、ハードウェアとセンサーを用いてデータを集め、解析するなどの一連の実践に取り組みます。そして4年次には、パナソニック株式会社でインターンシップを経験。高度なデータサイエンティストに必要な「ビジネス上の課題発見・解決能力」を身に付けるプログラムになっています。
※PBL…課題解決型学習。Project Based Learningの略。
#02

集めたデータを解析するのは、ハードウェアを設計するエンジニアが適任

吉田助教
システム理工学部がめざしているのは、例えばマーケティングのためにビッグデータを活用するような人材の育成ではなく、データサイエンスの知識と技術を備えたエンジニアを社会に送り出すことです。IoT時代に突入した現在は、ありとあらゆるデータを集めるためにハードウェアを活用します。そこに集まるデータの解析者として最も理にかなった人物は、ハードウェアを設計したエンジニアです。設計者ならば、今あるデータを元に、さらに手に入れたいデータを考え、新たなハードウェアの設計につなげるなど、きめ細かなフィードバックをかけることができます。これはエンジニアにしかできない考察であり、強みといえます。これからのモノづくりをリードしていきたいと考える学生に、ぜひ注目してほしい取り組みです。
#03

【プログラムでの取り組み】コロナ禍で密を避けるための空席認識プログラム

下坂さん
PBLで最初に指定されたのは「AIとロボティクスの開発者キットを使って、画像データを解析する」という条件だけでした。私たちのチームは、何のためにどんなものを作るのか、という出発点から意見を出し合い、社会にもとめられているものを作ろうと決定。自分達の日常を振り返ってみると、現在、コロナの感染拡大防止のため、混雑を避けることが望ましい状況です。そこで、フードコートや交通機関での混雑を回避するための空席認識プログラムの開発に取り組むことにしました。
#04

【開発プロセス】大量の写真を撮影してAIに学習させ、空席状況を判断させる

青田さん
データの取得方法としては、大学の教室の天井にカメラを設置して、座席状況を大量に撮影しました。まずは人間の着座状態、椅子の引き具合など、さまざまな条件で動画を撮影し、そこから160枚の画像データを抽出。すべてのデータに人間か椅子かの意味付けを行ってAIに学習させました。しかし、かばんなどの荷物を人間や椅子だと認識してしまうため、解析結果の精度が低く、完成とはいえない状態でした。そこで扱う画像データを600枚まで増やして再びAIに学習させ、解析を行ったところ、人間と椅子をリアルタイムで70〜90%認識できるという成果を得ることができました。
#05

教科書の知識だけでは、新しいプログラムは開発できない

下坂さん
1年次にデータサイエンスの知識を学んだ上でこのPBLに参加したのですが、今まで習ってきたことはあくまで基礎なのだと感じました。AIを使った機器やプログラムを実際に作るとなると、教科書の情報だけでは不十分です。自分達のプログラムに必要なコードなどをインターネットで調べ、プログラムに合うように加工するプロセスはとても大変でしたが、情報工学に対する興味がさらに高まりました。今後は、人に役に立つことを研究したいという思いをもっていて、そのために、世の中の課題を発見する力と、その課題を解決するエンジニアとしての力をもっと磨くつもりです。
#06

一つの目標に向かってチームで議論する時間が楽しかった

青田さん
自分達で課題を見つけ、その解決のためにチームで取り組む経験は今回が初めてでした。なかなか前に進めない時に、チームメンバーで集まって「どうすればうまくいくだろう」「こんな方法もあるんじゃないか」と話し合うことが楽しかったです。また、データを収集する作業と、データに意味付け(ラベリング)する作業が想像以上に大変で、授業時間以外もチームで集まって取り組んだことが印象に残っています。今回の経験から、私たちの身の回りにある画像認識の技術は、膨大なデータの分析と学習の元に成り立っていることを知ることができました。
#07

データを知るエンジニアとなって、課題発見と解決に力を発揮してほしい

吉田助教
データサイエンスを強みとするエンジニアとして、これから社会で活躍するためには、3つの力の獲得が重要だと考えます。1つ目は数学や統計はもちろん、エンジニアとしての核になるシステム理工学の知識と技術。2つ目は、分析対象のデータを収集した上で、未整理のデータを扱いやすくきれいな状態に整備するデータエンジニアリングです。これはデータを知るエンジニアが実現できることです。そして3つ目は、社会のニーズや課題を拾い上げ、ビジネスと技術の両面から解決策を提案する力です。また、この3つの力をチームの力へと変えるために、自分の意見を他者にわかりやすく伝える力と、他者の意見を受けてプロジェクトを発展させる柔軟さも必要になるでしょう、このデータサイエンティスト育成プログラムを通して、年次や考え方が異なる学生同士が協働してプロジェクトを遂行することで、将来エンジニアリングの現場において、課題発見と解決能力を発揮できる人になってほしいと思います。
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