広報・コンテンツディレクター 田中 伶さん 2011年3月 関西大学 文学部
中国語中国学専修卒業
Q.学生時代に起業されたそうですが、
どのような経緯があったのですか?
1年間、大学を休学して台湾に留学したのですが、その時に「私は何を目的に勉強しているのだろう。何をめざしているのだろう」と自分を客観視することがあり、「もっといろんな経験を積みたい。そして世の中に新しい価値の提案をしたい」という気持ちになっていきました。そんな中、社会と直接関わるには起業するのが一番だと気づいたのですが、私には肝心の知識も経験もありませんでした。そこで経営学を基礎から学び、企業や組織を成長させていく経営学の方法論を個人に置き換えたビジネスをはじめたのです。これが4年次生の時にたった1人ではじめたバリュー・デザインネットという個人事業です。
Q.卒業後は東京に場所を移して、
新たな会社を設立されていますね。
24歳の時に仲間と一緒に「本気で日本の未来を考える株式会社」を立ち上げました。これは大学生向けのコミュニティビジネスで、ワークショップの実施やキャリアカウンセリングなどを主に行っていました。年齢が近いこともあり、大学生と同じ目線でキャリアビジョンを考えるのが私のスタンスでしたね。何かをやりたいけど見つけられない、やりたいことがあるけど親の反対を受けている、そういった大学生一人ひとりと向き合い、彼らの根底にあるものを丁寧に探って一緒に見つけ、生き方を見つめ直す。そういうお手伝いをしていました。
Q.いろいろなことが順調に進んでいるようですが
ご苦労や辛かったことはあったのですか?
それはもう、たくさんありました。ビジネスとしてどう広げていったら良いのか?という悩みはもちろん、会社として仕組み化する中で、立ちあげた当時のやり方に限界が来てしまい、そのまま継続していくのが難しくなっていったのです。頑張って続けるか、クローズするかを悩み、結局一旦クローズすることにしました。「本当にこれでいいのか」と自問を繰り返した辛い決断でした。
Q.そのような辛い状況を、
どのように乗り越えられているのですか?
私はノートに悩みやその時々の思いを書いているのですが、過去の「もうダメだ」って書いてあるのを見ると「なんだ、何とかなってる」と思ってまたやる気になれることが多いですね。自分の過去に励まされながら前に進んでいるというのでしょうか、そうやっていろんなことを乗り越えられてきたように思います。
Q.現在は(株)スクーの広報、そして講師としても
ご活躍ですが、これからのビジョンは?
(株)スクーは『世の中から卒業をなくす』ことをモットーに、すべての世代の方に学びの機会を提供する新しい形のオンライン上の学校です。私自身、大きなプロジェクトに関わるよりも、目の前にいる人に少しでも影響を与え、何かを残せることに大きなやりがいを感じるので、これからもその気持ちは変わらないと思いますね。自分のモチベーションが上がることに出会ったら、次はそのモチベーションをどうしたら持続できるのかを考え、そして行動に移すことが、自分の人生を楽しむ方法だと思っています。学生の皆さんにも、目の前にあるさまざまなチャンスを逃さず、まずは飛び込んでみることをおすすめします。自分が思った以上の結果が生まれるかもしれませんよ。